獣王の咆哮
   
第壱話 『 胎動 』




1954年―東京― 
 



先の大戦から驚異的な発展を遂げた東京は、突如現れた巨大生物によって瞬く間に火の海と化す。

その中を逃げ惑う人々。

燃え上がる火の手は命を奪ってゆく。

人々の視線の先には・・・燃え盛る火の海の中で、耳元まで裂けた口には鋭い牙がずらりと並び、

表皮は闇に同化するの如く黒く、後頭部から長い尾の先まで不規則な大きさで並んでいる背鰭した、

巨大生物が破壊の限りを尽くしていた。

人は嘆き 悲しみ 逃げまとうばかりで、ただ黙って見ていることしか出来なかった……

この悲劇は当時の日本中に震撼させ、マスコミやメディアが騒ぎ立てた。

だがそれ以降巨大生物は現れることは無かった。

その為、数十年以上の月日が流れた今では、人々の記憶からあの時の出来事は薄れ去っていった。







あの悲劇から五十年あまりの時が経ち、新世紀の幕開けたる2000年に世界は未曾有の苦難に被る。

巨大隕石の南極大陸への落下。

そしてそれは南極の崩壊をもたらし、あまりに大きな衝突のエネルギーは南極の氷を 融解 水

位の上昇を引き起こした。

最悪なことに地軸までもが捻じ曲がり、多くの都市が海の藻屑と消え去った。

被害はこれだけに留まらず世界中に貧困、戦争、経済恐慌を招き、世界中の命が失われることになる。

後にセカンドインパクトと名付けられるこの未曾有の災害と同時に"アレ"もまた永き眠りから目

覚めようとしていた………







―太平洋―

ズッシーン!!

突如して揺れる地響き。

先程まで優雅に泳いでいた魚達が驚き、一斉に姿を隠す。

しばらくして地響きが鳴り止むが、魚達は一向に現れる気配がない。

まるで…何かに怯えるかの様に……

そして訪れる静寂。

その中で気泡のようなものが次々と泡だっている。

ゴッポポポ………

まるで生き物が呼吸をしてるかのように、その気泡は徐々にではあるが勢いを増してく。

ゴッポ ゴッポ ゴッポポポ………

同時にズッシーン!!と再び激しい地響きが起き始める。

いつまで続くかわからない揺れは突如して暗闇の中から、青白い光が光ると同時にこの世の物とは思えない咆

哮が響いてゆく。

グォォォ―――ンン!!!

咆哮は反響するように暫くなり響く。

そして辺りに静寂訪れるが先ほどの気泡と揺れは無くなり、まるで何事もなかったかの様に静けさが訪れて

いた。







原子力潜水艦『シーボート』

「今回の航海が無事終えれば帰還できますね。艦長」

無愛想ながらも艦長と呼ばれた男が答えた。

「ああ…そうだな」

それだけで会話は止まり、狭い船室に静寂が訪れる。

しかし一つの報告に静寂が破られた。

「艦長。 た…大変です!! 本艦後方より急激に接近する物体あり。このままでは衝突します!!」

艦内の至る所で赤色のブサーが鳴り響く。至る所で船員が慌て始める。

ザワザワ!!!

「バカな 何故すぐに気付かなかった!!」

報告が遅れた、船員に艦長は怒鳴りつける。

「申し訳ありません!!」 

「急速潜行を急げ……後、魚雷発射用意!」

「了解!!」

シーボートから魚雷が一発 二発と放たれる。

「一番魚雷発射!! 二番魚雷発射!!」

ガコン!!! ズガ―――ン!!!

「一番魚雷命中」

ガコン!!! ズガ―――ン!!!

「二番魚雷命中」

「目標は?」

「………!! 目標未だに健在このままでは!?」

「そんなバカな!! 魚雷は二発とも命中したはず……」

と言おうとした時、ズガガーン!!と船全体が激しく揺れ出した。

ギギギギ………… ギシギシ ザッバ――――――

激しい揺れは船員達を壁や床に叩き付け、機材から火の粉が噴出。船体全体から亀裂が入り、海水が溢れ出

し、ミシミシと船体が軋み始める。

「っ…一体何が如何なってい………

ドバン!!!

何かが押しつぶすカの様にシーボートは真っ二つに割れ、爆散。シーボートと船員達は海の藻屑となった。

ドッカ―――――――ンン!!

爆発音と共に黒く禍禍しい。巨大な生物が姿を現し咆哮する。

『グォォォ―――ンン!!!

先程の残骸には興味を無くしたのか目もくれず――動き出した。



碇シンジが父ゲンドウに呼ばれる数ヶ月前の出来事であった。







あとがき
一応書き終えました。かなり以前から書いていたのですが中々出来ませんでした。ネタが色々浮かび上がったり
しまして。冒頭で船を襲ってますが本当はニューヨークを襲撃させようと考えてたのですが、(汗)
改訂するならその辺りも追加して書こうと思います。ただ私は文章量は少ない癖に書き上げるのがかなり遅いのでいつなるかわかりません。(汗)すみません。後この作品のゴジラのイメージは2001年公開の「ゴジラ モスラ キングキドラ 大怪獣総攻撃」のゴジラです。
おかしい所があればご指摘下さい、またここはこうしたらいい等のご意見もお待ちしております。いや是非。
アイディアをいかすことが中々出来ませんでしたが、T・Cさんご協力ありがとうございました。

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